- 2009-06-09 (火) 7:44
- Bio
先日、日経新聞に次世代抗体技術であるantibody drug conjugate (ADC) を用いた医薬品として、T-DM1が紹介されていました*1。T-DM1はRocheが開発する医薬品で、乳がん治療薬であるHerceptinにDM-1と呼ばれる強力なトキシンをコンジュゲートさせた医薬品です。HerceptinはHer2を発現するがん細胞特異的に結合します。これを利用して、T-DM1は強力な細胞障害活性を持つ薬剤をがん細胞特異的に輸送することができます。
現在、Genentechをはじめとして、多くのバイオ企業でADCについての研究が進められています。これは従来の抗体医薬の薬効を増強する可能性を秘めているからです。ターゲット分子はそのままに薬の効果を上げることができるという点で、外れは少なそうだという印象です。ただし、技術的なハードルはかなり高いのではないかと想像しています。抗体の技術に加えて、低分子の技術も必要ですから。ただ、従来の抗体医薬品の癌に対する効果はとても十分と呼べるものではなかったので、ADCによる最適化は歓迎されると想像しています。
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