- 2010-08-23 (月) 8:07
- コラム
昨日、映画「小さな命が呼ぶとき」を観て来ました。
この映画は企業、大学のライフサイエンス系の研究者の人には是非観てもらいたいと思います。
この映画を観ると、何かのためになるというよりも、自分の仕事が一層楽しく、励みになると思いました。
Myozyme(マイオザイム)という希少・難治性疾患であるポンペ病の治療薬が開発されるまでの経緯を描いた作品です。
ポイントはポンペ病を患う二人の子供の父親がその開発を推し進めた立役者の一人であることです。
その情熱と結末には多くの人が心暖められますし、なにより励まされると思います。
私自身は企業で新薬の研究開発に携わっているため、その視点からこの映画を観ていました。
また、NPOでの活動を通じて、希少疾患の患者さんたちと接し、時には認知度を向上させるための
活動にも従事していることから、そうした活動をする者としての視点も同居していました。
まず製薬企業の研究者としてはその原点のようなものに触れる機会となりました。
自分たちが研究をしていることがどこへつながっているのかを改めて意識させてくれたと思います。
研究は時に盲目的であったり、近視的な目的にとらわれてしまいます。
しかし、患者さんの声というのは、そうした近視的なところから遠くにある真実の目標へと目をあげさせてくれます。
また、自分自身が応用見込みのある技術、すなわち誰かの現実を変える可能性のある技術と
日々接することができていることの幸運に改めて感謝しました。
ただ、NPOの活動という観点からは、もっと複雑な心境になりました。
研究活動とNPOでの活動という二つの側面を天秤にかけたとき、患者さんたちへの貢献について
考えると、果たしてNPOの活動を通じて具体的にどんな貢献ができるのかとしばし考え込んでしまいました。
NPOのメンバーにもこの映画を観てもらって、今後の方向性について議論してみても、
また新しい方向が見えるかもしれないと改めて思います。
この映画は製薬企業の研究者、大学の研究者が観ても最も感情移入しやすいと思います。
医療を題材にした映画で、基礎研究者にフォーカスを当てたものはそんなに多くありません。
バイオの基礎研究から、それがベンチャーキャピタルの融資を受けて、世の中へ出て行くまでの
過程をわかりやすく紹介してくれています。
この映画は上映箇所が少ないようですので、原作等のリンクを張っておきます。
割愛された内容も多々ある印象だったので、原作を読まれたほうがわかることも多いかと思います。
ただ、病気の実態を直感的に理解するにはやはり映像の力に勝るものはないでしょう。
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