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感想「小さな命が呼ぶとき」
- 2010-08-23 (月)
- コラム
昨日、映画「小さな命が呼ぶとき」を観て来ました。
この映画は企業、大学のライフサイエンス系の研究者の人には是非観てもらいたいと思います。
この映画を観ると、何かのためになるというよりも、自分の仕事が一層楽しく、励みになると思いました。
Myozyme(マイオザイム)という希少・難治性疾患であるポンペ病の治療薬が開発されるまでの経緯を描いた作品です。
ポイントはポンペ病を患う二人の子供の父親がその開発を推し進めた立役者の一人であることです。
その情熱と結末には多くの人が心暖められますし、なにより励まされると思います。
私自身は企業で新薬の研究開発に携わっているため、その視点からこの映画を観ていました。
また、NPOでの活動を通じて、希少疾患の患者さんたちと接し、時には認知度を向上させるための
活動にも従事していることから、そうした活動をする者としての視点も同居していました。
まず製薬企業の研究者としてはその原点のようなものに触れる機会となりました。
自分たちが研究をしていることがどこへつながっているのかを改めて意識させてくれたと思います。
研究は時に盲目的であったり、近視的な目的にとらわれてしまいます。
しかし、患者さんの声というのは、そうした近視的なところから遠くにある真実の目標へと目をあげさせてくれます。
また、自分自身が応用見込みのある技術、すなわち誰かの現実を変える可能性のある技術と
日々接することができていることの幸運に改めて感謝しました。
ただ、NPOの活動という観点からは、もっと複雑な心境になりました。
研究活動とNPOでの活動という二つの側面を天秤にかけたとき、患者さんたちへの貢献について
考えると、果たしてNPOの活動を通じて具体的にどんな貢献ができるのかとしばし考え込んでしまいました。
NPOのメンバーにもこの映画を観てもらって、今後の方向性について議論してみても、
また新しい方向が見えるかもしれないと改めて思います。
この映画は製薬企業の研究者、大学の研究者が観ても最も感情移入しやすいと思います。
医療を題材にした映画で、基礎研究者にフォーカスを当てたものはそんなに多くありません。
バイオの基礎研究から、それがベンチャーキャピタルの融資を受けて、世の中へ出て行くまでの
過程をわかりやすく紹介してくれています。
この映画は上映箇所が少ないようですので、原作等のリンクを張っておきます。
割愛された内容も多々ある印象だったので、原作を読まれたほうがわかることも多いかと思います。
ただ、病気の実態を直感的に理解するにはやはり映像の力に勝るものはないでしょう。
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iPhoneでの表示に対応しました
本ブログをiPhoneでの表示に最適化させました。
最近、自分自身がiPhoneを使うようになり、Twitter等もiPhone経由で見ることが多くなってきました。
Twitter経由で本ブログを御覧になる方はiPhoneで見ることも多いのでは?と考えて、
アクセスを調べてみるとsafariで見ている人が多いとわかりました。
Mac PCからのアクセスなのかもしれませんが、iPhoneからの人が多いのかもしれないと考えて、
iPhoneから見やすくなるように整形してくれるプラグインを導入しました。
今までiPhoneから見られれば便利だなと思っていた方は再度iPhoneでの閲覧をしてみてください。
さて、今日は「小さな命が呼ぶとき」を見に行ってきます。
実は、今日見る予定だったにも関わらず、うっかりして昨日の日付でオンライン予約してしまいました。
2倍の金額を払ってしまいましたので、一層集中して見てこようと思います。
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映画「小さな命が呼ぶとき」と遠位型ミオパチー
昨日は遠位型ミオパチー患者会の方に教えていただいて、TBS News23 Xを見た。
番組内では遠位型ミオパチー直面している問題について、特に新薬開発のハードルについて取材されていた。
この取材は、現在上映中の映画「小さな命が呼ぶとき」に端を発してのことのようで
番組中でもこの映画で取り上げている問題は現実に起きているのだということを取材を通じて説明していました。
遠位型ミオパチーはある程度の年齢に達してから発病するため、
それまで自分ができたことが急速にできなくなっていくことになります。
こうした現実を受け止めるのは心を痛める作業だろうと想像して見ていました。
現在はマウスモデルでシアル酸補充療法の効果が報告されており、
それを試しみたいという声があるようですが、なかなか治験に進めないようです。
ただ、これに関しては予算が確保できたという話を耳にしたので、近々臨床試験が始まるかもしれません。
このエントリーの下に研究成果へのリンクを張っておくので、興味がある人は是非読んでみてください。
また、番組内では米国の制度が紹介されていましたが、日本の制度にはほとんど触れられていませんでした。
日本でも希少疾患治療薬の開発振興政策は存在します。
日本ではNIBIOという組織が担当していますが、他国と比べて十分な成果は挙げられていません。
ただ、それはこの制度だけの問題ではないと思います。
http://www.nibio.go.jp/shinko/orphan.html
番組内容そのものとはずれますが、映画やメディアは現時点で希少疾患に対して興味を持っていない人、
あるいはその存在を知らない人にアピールするには効果的な媒体だなと感じました。
実際に映画を見て、こうした希少疾患に対する貢献をしたいと思っている人はたくさんいると信じていて、
昨年から始まったRare Disease Dayのような取り組みがそうした人たちの想いの受け皿になればいいなと改めて思いました。
この映画は私も明日見に行く予定です。
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遺伝子検査規制に対する雑感
- 2010-08-17 (火)
- コラム
昨日、紹介した遺伝子検査に対する規制についてですが、Economistの記事にも目を通してみました。
Consumer Genetics: Reading genes
Economistの論調は基本的にこの技術トレンドに対して非保守的に反応しています。
規制に関しては以下の三つの原則を守ってもらいたいとあります。
私が遺伝子検査について願うのはとにかくそのサイエンスを深めてもらって、
科学的な価値のある情報をより多く提供してもらいたいという点です。
もちろん、科学的な発展は一機関のなし得ることではなく、
検査会社ができるのはサービスの向上という観点からの貢献が主だろうとは思います。
癌治療の選択に有効な活用法なども既に見つかっていますし、
有益な情報が増えこそすれ、減ることはないだろうと信じています。
先日紹介した読売新聞の記事は遺伝子検査に対して懸念をあおるような内容になっています。
確かに、占いというレベルでの遺伝子検査であるのであれば、その懸念は妥当であるような気もします。
ただその一方で非科学的な文字通りの占いや、科学的な根拠の薄い代替療法なども
数多く存在し、それらの各人の意思決定に与える影響というのは無視できません。
これらの怪しからぬものと遺伝子検査との違いは何かというと、科学的であるかどうかという点です。
科学的な遺伝子検査の発展は大いに進めるべきかと思いますが、
遺伝子検査だけでなく非科学的であり、健康に甚大な影響を与えるものを整理することも
同じかそれ以上の努力を払って主張してもらいたいと思いました。
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希少疾患のオンライン検索事情
- 2010-08-14 (土)
- コラム
希少疾患の最も優れた情報ソースであるOrphanetのアニュアルレポートを見ました。
http://www.orpha.net/consor/cgi-bin/Education_Home.php?lng=EN#REPORT_CR
年間の訪問者数は2,187,969で、ユニークビジター数が1,601,839です。
1000人に実施したアンケートによると、医療関係者、患者でその過半数を超えるようです。
そして、予想通り検索キーワードは287,000と非常に多くまさにロングテールの典型です。
この値で年間訪問者数を単純に割り算すると、一つのキーワード当たり10人にもなりません。
希少疾患と同様に、小さなキーワードが集まって、集合としては大きな訪問者数を達成しています。
比較するのも恥ずかしいですが、このページも同様の現象が観察されます。
つまり、希少疾患やオーファンドラッグといった大きなキーワードではなくて、
個別の疾患名や薬剤名での検索がほとんどです。
ロングテールというインターネットが提供した現代の一つの特徴と、
希少疾患という疾病群とのアナロジーを感じ、それ自体がメッセージを有するように思いました。
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闘病経験をブログで力に変える
- 2010-07-23 (金)
- コラム
海外癌医療情報レファレンスに癌サバイバーの方のブログの紹介をしています。
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=417
闘病生活をオンラインを介して多くの人と共有することで得られる前向きな力について言及しています。
私自身もネット上で見つけた様々な患者さん、関係者のブログを拝見していますが、
日常生活における不便なことなど、なかなか「文献」では知ることができなかったことを実感することができると思いました。
今はSNS、Twitterなどオンラインコミュニケーションツールが発達して、ブログは時代遅れになりつつあると言われています。
ただその一方で個人情報をあまり人と共有したくないという人もいるはずで、それが重要になってくる場合もあります。
ブログはある程度他人との距離を調整しやすいように思います。また、まとまった考えを共有するのにもより適切な手段です。
やりとりまではしたくないのだけれど、闘病生活がどんなものになるのかとても気になるという患者さんは多いはずで、
そういう情報をオンライン上に提供してくださる方々はきっと気づかぬうちにそうした人たちへも貢献しているのだろうなと思います。
このブログではそうした実体験に即した情報はほとんど共有されませんが、ここで得られた情報の僅かな部分でも
良い影響を人に残せればいいと思いますし、結局はそれがこういうサイトを作っている唯一の目的なのだと改めて思いました。
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患者、家族の手記をまとめたサイト
- 2010-07-19 (月)
- コラム
日本の大手製薬メーカーのアステラス製薬のHPに「心の辞典」という患者さん、
あるいはそのご家族からの手記をまとめたサイトがありました。
http://www.astellas.com/jp/corporate/brand/essay/kokoro/
いくつか目を通してみたのですが、涙が出てきそうになります。
病気とは人の生死や、人生をその一瞬に凝縮するような機会なのかもしれないと思いました。
いくつものエッセイがありますので、自分の身近に感じられるものもあるのではないかと思います。
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ヒトゲノムを読む
- 2010-07-11 (日)
- コラム
ヒトゲノム解読から10年という記事を昨日書きましたが、
ヒトゲノムに関するオープンなデータベースにどんなものがあるのか調べてみました。
- 1000 genomes
- http://www.1000genomes.org/page.php
- 様々な人種のヒトゲノムを比較し、SNP解析を行う。
- International HapMap Project
- http://hapmap.ncbi.nlm.nih.gov/thehapmap.html
- いわゆるHotspotと呼ばれるヒトゲノム上の変異が生じやすい部分を網羅的に調べる。
- The ENCODE Project
- http://www.genome.gov/10005107
- 網羅的なEpigenetics解析
- Roadmap Epigetecis project
- http://www.roadmapepigenomics.org/
- 網羅的なEpigenetics解析
人種の違いというのは遺伝的に見た場合にはどれほど違うのか?
肌の色で人種を感覚的に区別してしまいますが、おそらくそれ以上の違いが環境によって生じていると思っています。
それが網羅的に示されるのは興味深いです。
サイエンスによって明らかになる真実というのは時に清々しいものであると信じています。
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ヒトゲノム解読から10年
- 2010-07-10 (土)
- コラム
R.A.R.E blogにヒトゲノム解読から10年というエントリーがありました。
http://www.crdnetwork.org/blog/ten-years-of-human-genome/
あれから10年が経ち、現在ではゲノム情報が存在することが当たり前で、
それに基づいて様々な研究アプローチが進められています。
例えば、劇的に変化したものの一つが遺伝学です。
従来は重要な役割を果たしている遺伝子をノックアウトや機能解析から多面的に探しました。
しかし、現在ではまず比べたい者同士(癌と正常細胞など)を比較して、
違いのある遺伝子をピックアップし、パスウェイマップや過去の知見と照らして、
重要遺伝子の絞り込みを行ないます。
今では高速シークエンサーの登場によってゲノム情報そのものを多く積み重ねる、
比較するということが簡単に試みられるようになっています。
時の流れとテクノロジーがどれほど研究の世界を変えてきたのかを思うと、身震いしました。
その震えは興奮から来るものであるのも事実ですが、一方で取り残されたら
二度と同じペースには戻れないだろうという恐れの両方から来るものです。
ヒトゲノム解読の立役者の一人であるC. Venterはつい先日に「人工生命」の創製
(異なる生物同士のゲノム情報の交換)に成功して、再び注目を浴びていました。
そんなことから再び関心がわき、C. Venterの自伝「ヒトゲノムを解読した男」を読んでいます。
まえがきの最後に、DNAの解読後の未来について
人類は自らのDNAを超越し始め、おそらくはその改造さえ可能にするだろう。
生命の物語を書き換え、人工的に改造したものを生み出すかもしれない。
いずれそれをテーマに、もう一冊本を書くことになるだろう。
とあり、まさにその情熱の未来が訪れ、僕らはそれを目の当たりにしていたのかと思い、
C.Venterという研究者の情熱に改めて驚かされています。
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フィクションを超える圧倒的迫力と面白さ
とにかく読んでもらいたい
ベンターに対するイメージが大きく変わります
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ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業
- 2010-07-05 (月)
- コラム
友人が今月末から半年弱留学します。昨日はその壮行会でした。
その留学資金はダスキンの障害者リーダー育成海外研修派遣事業によってサポートされているそうです。
以下、事業紹介から抜粋です。
「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」は1981年、国連で決議された「国際障害者年」にちなみ、障害者の社会への完全参加と平等の実現を目指して発足しました。障害のある人を対象とする海外研修派遣制度として、国内外に広く知られています。この事業は、地域社会のリーダーとして貢献したいと願う障害のある若者に、福祉の先進国で実地研修していただくものです。
http://www.ainowa.jp/jigyou/index.html
障害者に特化した海外留学支援制度があるとは知りませんでした。
知らないだけで、いろんな制度があります。
こういう制度を見付け出して、応募し、そして実行に移す友人に脱帽です。
帰ってきてから聞けるであろう話が今から楽しみです。
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