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バイオテクノロジー Archive
新たな筋ジストロフィー治療薬
- 2010-08-27 (金)
- バイオテクノロジー
AcceleronPharmaのACE-031というデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬が希少薬指定されました。
ACE-031はActivin Receptor TypeIIに抗体のFcを融合させたデコイレセプターです。
これによって筋肉抑制シグナルであるGDF-8 (myostatin) などのネガティブなシグナルと
このレセプターとの結合を阻害することで筋肉を増強します。
詳しくはこちらのリンクで見られます。
動物にこの薬を投与した時の写真が載っていますが、強烈なインパクトがあります。
Accerelon社の技術紹介のページ
レセプター融合タンパク質ではなくて、抗体にしたほうが扱いやすいのではないか?と思ってみて、
論文を見ると、やはりActRIIBに対するネガティブシグナル因子はmyosin以外にもあるようで、
レセプターを融合させたほうが特異性の観点から優れているようです。
Read more @ PNAS
抗体ではここまで都合よく特異性を操作することができないので、
レセプター融合タンパク質を使うのは合理的だと思いました。
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新デリバリー技術を利用した酵素補充療法
- 2010-08-19 (木)
- バイオテクノロジー
BioMarinがZyStorを買収すると発表しました。
ZyStorが開発しているのは新しいポンペ病治療薬ZC-701です。
ZC-701はinsulin-like growth factor 2とalpha glucosidaseをフュージョンさせたタンパク質製剤です。
従来、ポンペ病治療に使われていたのはalpha glucosidaseそのものでしたが、
この薬を細胞内のライソソームへと運ぶためにはマンノース6リン酸レセプターを介す必要があるため、
alpha glucosidaseにマンノース6リン酸が付加された状態でなければいけません。
しかし、糖鎖のコントロールは難しく、またコストがかかります。
今回のZyStorの技術はIGF2とフュージョンさせることで、この問題を克服しようとしたものです。
実際にどれくらいの効果があるのかわかりませんが、広義のドラッグデリバリー技術として興味があります。
http://www.checkorphan.org/grid/news/treatment/biomarin-acquires-zystor-therapeutics-inc
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バーチャルベンチャー
- 2010-08-18 (水)
- バイオテクノロジー
この不況の影響は当然ベンチャービジネスにも影響を与えています。
バイオベンチャー業界でもアウトソーシングを最大限に活用し、
ランニングコストを抑える”Virtualbiotech”が出てきています。
http://bit.ly/9xdNZJ1
創薬の初期のアイデアを検証したいという目的であれば、
それほど規模を大きくせず、設備投資を抑えて、挑戦することも可能になりそうです。
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抗体コンジュゲートの承認申請
- 2010-07-29 (木)
- バイオテクノロジー
今月初旬にGenentechが開発を進めているT-DM1の承認申請がされました。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/2010/07/205826.html
T-DM1はHerceptinというHer2に対する抗体医薬に細胞傷害活性のトキシンを付けることで、
薬効増強を狙った抗体ドラッグコンジュゲート (ADC) と呼ばれる種類の薬剤です。
単純にHerceptinの効果に加えて、トキシンの細胞傷害活性が加わることで薬効の増強が期待できます。
過去に認可されていたADCは先日紹介したPfizerのMylotargです。
http://www.orphantoday.com/2010/06/23/653
こちらは問題があり、残念なことに市場から回収されてしまいました。
T-DM1はより成熟したADCと言えます。
現在、ADCは各社のパイプラインに入っており、T-DM1はこの種類の薬剤の
今後を占う上での試金石となると予想されます。
今あるメジャーな抗体医薬の改良品として続々と市場投入が進められることでしょう。
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第一三共ポテリジェント技術を導入
- 2010-07-28 (水)
- バイオテクノロジー
第一三共がBiowaのポテリジェント技術を導入するそうです。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20072652
ポテリジェントは協和発酵発の技術で、糖鎖をエンジニアリングすることで
抗体のADCC活性を増強します。
私が学生の頃に開発された技術ですが、海外で受け入れられたあとに
日本で受け入れられるというのはなんだか皮肉に感じました。
協和発酵のBiowaを作ることで、いち早く海外展開したのは正解だったのだとつくづく感じました。
技術は売るべき時に売らなければ、すぐに陳腐化してしまいます。
この数年ですらそうした体験をしました。
自分が新しい技術に携わる機会があれば、それはそのときが勝負時な気がします。
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アバスチンの乳癌治療承認の取り消し
- 2010-07-22 (木)
- バイオテクノロジー
FDA諮問委員会がアバスチンの乳癌治療承認の取り消しを支持したようです。
http://www.reuters.com/article/idCNN2025714420100720?rpc=44
これによってアバスチンの売上のうち1000億近くがなくなる可能性があります。
この報道を見て、医薬品は常に見直しされる可能性があるということと、
そのことがはらむビジネス上の大きなリスクがあるということを考えました。
過去の状況を把握出来ていませんが、承認されたということは当時は
それを支持するデータがあったということでしょう。
では今なぜ取り消しかというと、使用していく過程で取得されたデータによって
過去のデータが塗り替えられていったからだと思います。
医薬品は市販後にこそ多様であり、豊富なデータが取得できるので、
それに伴って今回のような見直しの対象になることは今後も大いにあるでしょうし、
医療費が切迫する昨今では賢明な措置だとも思います。
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ベドウィン族から希少疾患原因遺伝子の特定
- 2010-07-15 (木)
- バイオテクノロジー
BTJの宮田満さんのブログに
「近親婚の多いベドウィン族の家系データから、希少な疾患遺伝子を把握できる有利さも」
というエントリーがありました。
http://blog.nikkeibp.co.jp/bio/miyata/2010/07/205756.html
過去にもその地域に特有の風土病から、人間の持つ性質やより広範な病気の原因を特定することに成功してきました。
ゲノム解析が可能になったことで、こうした研究にも新たな方法論が与えられたことになります。
希少疾患に限ったことではないでしょうが、特異な性質を持つ集団に注目することで、新たな原因遺伝子を
同定することなどがこれから数多くなされていくと思います。
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Dendrionの癌ワクチンを保険適用すべきか?(米国)
- 2010-07-03 (土)
- バイオテクノロジー
Dendrionの開発した癌ワクチンであるProvengeが米国の保険(Medicare)適用とすべきか否かの検討に
一年を費やすとの発表がありました。
http://blogs.wsj.com/health/2010/07/01/medicare-to-take-a-year-for-provenge-coverage-decision/
これによってDendrionの株価は下がったそうです。
新規の作用機序をもつ薬剤なので、FDAも慎重に検討したいということなんでしょうか。
確かに従来の薬と違って、患者の細胞を取り出す、戻すという作業が入るなど、
既存薬の枠組みで考えるのには無理があるのかもしれません。
不確かな状況が続きますが、技術屋としてはDendrionにはこの不確かな時を乗り越えてもらいたいと思っています。
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家族性アミロイドーシスのRNAiによる治療
- 2010-07-02 (金)
- バイオテクノロジー
RNAi技術を有するAlnylam社がアミロイドーシス治療薬のP1試験開始の認可を得たと報じられました。
http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20072120
このアミロイドーシスはおそらく家族性アミロイドーシス (FAP) のことだと思います。
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/004_i.htm#
RNAi技術は次世代薬のプラットフォームだと言われて久しいですが、現時点では成功までの道半ばです。
最新の技術は希少疾患に適用されるケースも多く、今回もその例にならうものだと思います。
希少疾患の多くは先天性なので、遺伝子レベルでの不具合があるので、
RNAiなど遺伝子レベルでの発現制御ができる技術は広く応用できるだろうと期待できます。
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Ipilimumabによるメラノーマの治療
- 2010-06-24 (木)
- バイオテクノロジー
先日開催されたASCOでIpilimumabというCTLA4に対する抗体によって、
メラノーマ患者さんの生存期間が延長するというデータが発表されました。
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=404
CTLA4はT cellの免疫反応を抑制すると考えられているため、
これを中和することで間接的にT cellを活性化し、それが薬効として現れていると考えられています。
では、どれくらい延長するのか?
約4ヶ月と記事にはあります。これは十分な延長期間だと思える人は少ないでしょう。
ただ、進行したメラノーマ(転移したもの)については治療の選択肢はほとんどなく、
延命効果を示した治療法が登場したのは実に30年ぶりと聞きました。
一歩一歩ですが、着実な進歩だと思います。
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