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Orphan Drug Archive

欧州承認申請されたSLE治療薬Benlystaのまとめ

先日Twitter上で紹介しましたが、HGSとGSKとが開発しているSLE治療薬であるBenlysta (Belimumab) が欧州へ承認申請されたようです。

http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20071710

SLEは日本では特定疾患に指定されています。日本でも2-3万人の患者さんが存在すると言われ、特徴的なのはその9割を女性が占めるという点です。

http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/063_i.htm

また、最近では有名なLady GagaがSLEの検査を受け、borderline positiveであったと報告されています。

http://www.lupus.org/webmodules/webarticlesnet/templates/new_empty.aspx?articleid=3242&zoneid=99

SLEという疾患の知名度は相対的に低いですが、こうした著名人の罹患報告は疾患の知名度を向上させるのに非常に有効だと思います。本人にしてみれば、自分が罹患したという不安な中、大々的に注目を集め、報道されるという点はより不安な気持ちを助長させると想像できるので、気の毒だと思うのですが。

BelimumabはBLySと呼ばれるB細胞増殖シグナルの阻害剤です。BLySの阻害を通じて、SLEの病院の一つと考えられる自己抗体産生B細胞を消失させることで効果を発揮していると考えられています。詳しいメカニズムはHGS社のHPに掲載されています。

http://www.hgsi.com/belimumab.html

一年前の記事になりますが、SLEの治療薬として開発されていた様々な生物学的製剤についてこちらによくまとまっています。

http://www.yakuji.co.jp/entry10534.html

BelimumabのPhase3の結果を見ると、

A clinically and statistically significant improvement was shown in patient response rate for belimumab plus standard of care vs. placebo plus standard of care: 57.6% for 10 mg/kg belimumab, 51.4% for 1 mg/kg belimumab, and 43.6% for placebo (p=0.0006 and p=0.013 for 10 mg/kg and 1 mg/kg belimumab, respectively

とあり、投薬した約半数の患者さんで病態の改善が見られたと報告されています。Twitter上で再燃しづらいという情報も頂いたのですが、HGSのHP上では見つけることができませんでした。

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EUのオーファンドラッグ法を振り返る 3

http://www.eurordis.org/content/celebrating-10-years-orphan-drug-regulation-europe

オーファンドラッグ法によって、バイオベンチャー、あるいは中堅企業へのベンチャーキャピタルの投資が増加し、ライフサイエンス産業が活性化されました。これはこの制度を利用することで、オーファンドラッグ開発の資金的な面および科学的な面でのリスクが減少したためです。

とはいえ、まだやるべきことがあります。6000から7000種類と言われる希少疾患に対して60の新薬ではまだ十分とはいえません。希少疾患の中にはまだ基礎的な研究が十分にされていないものが多く残されており、それらについては医薬品開発を行うには十分な知見がえられていません。現時点で医薬品が開発されていない希少疾患については、この基礎的な研究を進めていくことが重要な課題だと思います。

ここからは私の意見ですが、オーファンドラッグ制度は好循環を生み出したようです。実際、年になんどもオーファンドラッグ指定された開発品のニュースを目にします。オーファンドラッグ制度は製薬企業にとって既に医薬品開発の重要な戦略の一部になっていると感じました。


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EUのオーファンドラッグ法を振り返る 2

EUのオーファンドラッグ法の振り返りの続きです。

http://www.eurordis.org/content/celebrating-10-years-orphan-drug-regulation-europe

オーファンドラッグ制度によって、細胞療法、遺伝子療法、組織を利用した治療法など、技術革新が促されてきました。オーファンドラッグに指定された開発品の3割が革新的と分類されています。これは従来の制度によって見積もられていたリスクとそれを犯すことで得られる報酬のバランスでは取り組めなかったような技術も、オーファンドラッグ制度のもとではそのバランスが変化し、挑戦する価値があると考えられるようになったからだと思います。

これはこの制度を設立した当初は予期していなかった成果なのだろうと思います。オーファンドラッグ制度は本来の意図とは異なる利用をされている場合もありますが、それは必ずしも悪いことばかりではないということですね。

現在、アメリカ癌学会が開催されています。twitterでは各社の開発薬の臨床試験の結果などが続々報告されています。興味のある方は御覧下さい↓

http://twitter.com/#search?q=%23ASCO2010

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EUのオーファンドラッグ法を振り返る 1

EURODISのニュースレターを見ると、今年で欧州にオーファンドラッグ制度ができて10年ということです。

http://www.eurordis.org/content/celebrating-10-years-orphan-drug-regulation-europe

積極的に取り組んでいる印象だったが、意外に短いと思い、日本、米国について調べてみるとwikipediaによると、日本では1993年から、米国では1983年からということでやはり欧州での取り組みは遅い。ただ、これは欧州が多国家から形成されていることを考慮すると仕方が無いことであるように思います。

この制度がどれくらい活用されているのか、上記の記事から抜粋すると、

Since its adoption, more than 1,000 applications for orphan drug status have been reviewed and the number of new applications is rising every year. In 10 years, 728 have been designated as ‘orphan drugs’ and 60 have received marketing authorisation. Of this, around 2.5-2.6 million patients potentially stand to benefit.

この制度を利用して認可された医薬品は60にのぼり、250万人が恩恵を受けている。立派な数字です。日本の数字も気になるところですね。

ただオーファンドラッグとはいえ、その実態はどんなものかというと、

What kinds of products are designated? The majority are designated for rare cancers (46%), metabolic diseases (10%), cardiovascular and respiratory diseases (9%), to mention a few therapeutic areas.

とあり、やはり稀少性の癌が半分近くを占めている。他の疾患と関わりの少ない希少疾患については、なかなか取り組みにくいという事実は変わっていないのだろう。

結構ボリュームがあるので、続きは後日更新予定。

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希少疾患用医薬品開発に対するインセンティブ

WSJのHealth blogにNiemann-Pick Type C (NPC)を患うお子さんをもつ母親の努力がみのり、治療薬候補であるcyclodextrinがFDAによってオーファン指定されたというニュースが載っていました。

http://blogs.wsj.com/health/2010/05/17/fda-grants-moms-wish-gives-orphan-drug-designation/

オーファン指定をとるのは容易いわけではなく、記事によると

only 160 applications — out of 250 requests –received an orphan drug designation

とあり、ハードルが高いです。逆に言えば、ある化合物などについてオーファン指定をとっておくだけでも、製薬企業やバイオテクカンパニーがその分子の開発に乗り出す可能性が高まったと言えるのだと思います。

また、記事の後半にはアメリカで5000人以下の患者しかいないいわゆるultra orphanの医薬品開発の状況について記載がありました。

These ultra orphans make up less than 15% of orphan designations even though they represent more than 80% of identified rare diseases, according to data prepared by the Kakkis EveryLife Foundation and BioMedical Insights.

個々の疾患はminorityですが、それらを集合としてとらえれば、相当数の患者さんが要るのだろうなと想像しています。個別とマスの問題は、今や別の分野(ITなど)では理想的な状況に向かおうとしていますが、医薬品の場合はその性質上難しいところがあります。良い枠組みを確立できればよいのですが。

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Novartisの希少疾患戦略

NovartisではIlaris (canakinumab) という抗IL-1 beta抗体をクリオピリン関連周期性症候群(CAPS)の治療薬として承認させています。

http://www.fiercebiotech.com/story/fda-approves-novartis-ilaris/2009-06-18-0

http://www.biotoday.com/view.cfm?n=33988

CAPSは希少疾患ですが、Novartisはグリベックに始まり、希少疾患の治療薬開発に邁進している印象です。下記のリンクにはNovartisの希少疾患戦略がまとめられています。

http://www.fiercebiotech.com/story/novartis-vasella-vows-stay-focused-rare-disease-strategy/2009-12-21?utm_medium=rss&utm_source=rss&cmp-id=OTC-RSS-FB0

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Orphan drugのトレンド

Natureにオーファンドラッグのトレンドについて分析した記事が掲載されています。

http://www.nature.com/doifinder/10.1038/nrd2546-c1

無料で見ることはできませんが、見られる環境にある方はチェックしてみてください。

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FDAがActelionのニーマンピック病治療薬に疑問

FDAがActelion社のニーマンピック病(C型)治療薬に疑問を提示しているようです。

http://www.reuters.com/article/idCNN0824129020100108?rpc=44

具体的には現在提出されている資料では十分に薬効があると言えないのではないかということのようです。希少疾患の治療薬だからといって、審査の基準がゆるくなるわけではありません。

ただ、希少疾患の場合、薬効が弱い医薬品を開発するのは非常に難しいように想像しています。患者さんの数がそもそも少ないため、コントロールとの僅かな差を検知することができないように思うからです。昨年のICORDではFDAの方がその点に触れていたように思いますが、こうした統計のサイエンスも進む必要があるのかもしれません。

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BioMarinの医薬品がランバートイートン症候群の治療薬として承認された

BioMarinの医薬品3,4-diaminopyridine (amifampridine phosphate) がランバートイートン症候群(LEMS)の治療薬として欧州で承認されました。

http://www.biotoday.com/view.cfm?n=37430

私も聞いたことのない疾患だったので、少し調べてみました。

イートン‐ランバート症候群の原因は、重症筋無力症(末梢神経の障害: 重症筋無力症を参照)のようにアセチルコリン受容体を攻撃する抗体ではなく、アセチルコリンの分泌を妨げる抗体です。イートン‐ランバート症候群は、ある種の癌(がん)、特に肺癌に伴って起こります。

http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec06/ch095/ch095c.html

メルクマニュアルによると、重症筋無力症に似た症状のようですが、原因が微妙に異なるようです。

今回承認されたBioMarinの3, 4-diaminopyridineには神経終末からのアセチルコリンの放出を促進する作用を持つそうです。

http://square.umin.ac.jp/jin/text/LEMS.html

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Clavis PharmaのCP-4126がオーファン指定された

Clavis PharmaのCP-4126がすい臓がんの開発薬としてオーファンドラッグ指定されました。

http://www.fiercebiotech.com/story/clavis-pharma-gets-orphan-drug-status-new-ceo/2010-01-08?utm_medium=rss&utm_source=rss&cmp-id=OTC-RSS-FB0

CP-4126の特徴について昨年のASCOの要旨で簡単に触れられています。

CP-4126 (gemcitabine 5′-elaidic acid ester) is a novel nucleoside analogue with proven preclinical antitumor activity. Unlike gemcitabine, the intracellular uptake of CP-4126 is independent of nucleoside transporters. The aims of this study were to determine the safety, toxicity, MTD and the RD of CP-4126, to describe its pharmacokinetic (PK) characteristics, and to assess its preliminary antitumor activity.

http://meeting.ascopubs.org/cgi/content/abstract/27/15S/2577

にしても、がんに対する開発薬についてはほとんど全てのものがオーファン指定されているのではないでしょうか。今月のNature Drug Discovery Reviewにオーファンドラッグのトレンドについてのレビューが掲載されています。読める環境にある方はご覧になると参考になると思います。

http://www.nature.com/nrd/journal/v9/n1/full/nrd2546-c1.html

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