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Orphan Drug Archive

Gilead社嚢胞性線維症の治療薬の行く末

ニュースによると、Gilead社嚢胞性線維症の治療薬アズトレオナム吸入薬について承認申請されていましたが、その効性評価臨床試験の解析方法とデザインが問題視されていたとのことでした。

http://www.biotoday.com/view.cfm?n=37031&ref=rss&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+biotoday+(BioToday.com+[新着ニュース])&utm_content=Google+Reader

しかし、結果的にはFDAの諮問委員会によって推奨されたようです。

http://www.biotoday.com/view.cfm?n=37095&ref=rss&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+biotoday+(BioToday.com+[新着ニュース])&utm_content=Google+Reader

メルクマニュアルによてると、

嚢胞性線維症は、米国の白人を死に至らしめる最も多い遺伝性疾患です。この病気は白人の乳児の約3300人に1人、黒人の乳児の約1万5300人に1人の割合で発症します。アジア人にみられることはまれです。嚢胞性線維症は性別に関係なく同じように発症します。

とあり、人種特異的な疾患です。これは遺伝性の疾患なので、白人にこの変異が多いことがひとつの要因なのかもしれません。こうした点についても、世界的に進められているゲノム解析結果を使えばよりはっきりとしたことがわかるかもしれません。たしか、人種を超えての解析を進めているプロジェクトがあったと記憶しています。(Human Genome Projectだったかな?)

http://www.ornl.gov/sci/techresources/Human_Genome/home.shtml

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Pfizerの希少疾患領域への参入

少し遅いニュースになってしまいますが、製薬最大手のPfizerが希少疾患領域へいよいよ駒を進めてきました。具体的にはProtalix社のゴーシェ病治療薬を獲得したようです。

http://biotech.nikkeibp.co.jp/bionewsn/detail.jsp?id=20067301

GSK、Novartis、そしてPfizerまでもがこの領域に参入してきました。10年前までとは様相が一変しています。一方で、genericも推進されているので、医薬品産業の姿が大きく変化しつつあります。特異的な領域では高い薬価、それ以外では従来よりも安い薬価で設定される、メリハリの効いたものになっていくと想像されます。

Pfizerの希少疾患領域の戦略についてはこちらが詳しいです。

http://blogs.wsj.com/health/2009/12/01/of-pfizer-a-new-treatment-for-a-rare-disease-and-carrot-cells/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+wsj/health/feed+(WSJ.com:+Health+Blog)&utm_content=Google+Reader

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EMEAに認可されたオーファンドラッグ

昨日に引き続き、先月EMEAに認可されたオーファンドラッグの紹介をします。

Novartis社のAfinitor、GenzymeのMozobil、Gilead ScienceのCaystonという三種類です。

Afinitorはadvanced renal cell carcinomaの治療薬です。

Mozobilは幹細胞移植前のドナーに投与し、幹細胞を骨髄環境から末梢血へ誘導するために使うようです。MozobilはGenzymeが開発していますが、もともとはAnorMEDという会社の開発薬だったようで、それをGenzymeが手に入れたようです。詳しい経緯はこちらのサイトにあるので、興味のある方はご覧ください。

http://tng.blog37.fc2.com/blog-entry-150.html

最後にCaystonは嚢胞性線維症 cystic fibrosis患者の緑膿菌P. aeruginosaによる感染を抑制する医薬品である。CF患者の死因の大きな部分を緑膿菌感染が占めるため、これにより疾患を直接直すというよりもその二次的な死因を取り除くことで、QOLを向上することを狙っている。CFと緑膿菌の関係については下記のブログに詳しい。

http://pulmonary.exblog.jp/9119323/




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EMEAに先月オーファンドラッグ指定された医薬品のリスト

先月、EMEAにオーファンドラッグ指定された医薬品のリストが発表されています。

Treatment of carcinoid tumours
(S)-ethyl 2-amino-3-(4-(2-amino-6-((R)-1-(4-chloro-2-(3-methyl-1H-pyrazol-1-yl)phenyl)-2,2,2-trifluoroethoxy)pyrimidin-4-yl)phenyl)propanoate


Treatment of acute myeloid leukaemia
26 base single stranded phosphodiester DNA oligonucleotide

Treatment of Duchenne muscular dystrophy
Adeno-associated viral vector containing modified U1 snRNA

Treatment of myelodysplastic syndromes
Allogeneic ex vivo expanded umbilical cord blood cells

Treatment of chronic myeloid leukaemia
Allogeneic ex vivo expanded umbilical cord blood cells

Treatment of familial adenomatous polyposis
Eicosapentaenoic acid

Treatment of anal fistula
Expanded human allogeneic mesenchymal adult stem cells extracted from adipose tissue

Treatment of angioedema caused by C1-inhibitor deficiency
Human C1-inhibitor

Prevention of graft rejection during pancreatic islet transplantation
Low molecular weight dextran sulphate

Treatment of acromegaly
Pasireotide

Treatment of Cushing’s disease
Pasireotide

Treatment of multiple myeloma
Pomalidomide

Treatment of Hodgkin lymphoma
Recombinant antibody construct against human CD30 and CD16A

Prevention of scarring post glaucoma filtration surgery
Recombinant human serum amyloid P

Treatment of haemophilia A
Sequence-modified recombinant human factor VIIa

Treatment of haemophilia B
Sequence-modified recombinant human factor VIIa

Treatment of acute lung injury
Human tumour necrosis factor alfa-derived peptide Cys-Gly-Gln-Arg-Glu-Thr-Pro-Glu-Gly-Ala-Glu-Ala-Lys-Pro-Trp-Tyr-Cys

Treatment of soft tissue sarcoma
(-)-trans-3-(5,6-dihydro-4H-pyrrolo[3,2,1-ij]quinolin-1yl)-4-(1H-indol-3-yl) pyrrolidine-2, 5-dione

詳しくはこちらをご覧ください。

http://ec.europa.eu/enterprise/pharmaceuticals/register/orphreg.htm

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オーファンドラッグと医療コストの関係

現在、毎月のようにオーファンドラッグに認定された医薬品が開発されています。その多くはがんの領域だと想像しますが、製薬企業やベンチャー企業が大いに活用しているようです。

しかし、その一方でオーファンドラッグはあくまでも特例であり、あまりに数が増えると医療コストが増大してしまうのではないかという懸念がされています。希少疾患は非常にまれな疾患ですが、医療保険は全体で賄っているために、非希少疾患患者の負担感が大きくなってしまわないかということです。この懸念について、EURODISがオーファンドラッグのコストについて、今後10年間の予測をしており、結論としては大きな問題にならないとしています。

http://www.eurordis.org/article.php3?id_article=2132

基本的に医薬品が存在しない場合でも何らかの対症療法をします。そのコストは場合によっては甚大になりますが、新たな医薬品ができ、それにより症状がよくなれば、現在行っている対症療法が不要になり、結果としてコストが下がる場合もありうるという考えに基づいているようです。

逆にいえば、希少疾患の医薬品については、こうした面から想像できるように、画期的な効果が期待されているものと思います。対症療法に何かを加えたようなものでは、社会としてもどんどん受け入れ難くなるように想像します。

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希少疾患治療薬の株価へのインパクト

希少疾患治療薬はビジネスにならないと考えている人はもう少ないでしょう。今問題になっているのは超希少疾患(希少疾患の中でも患者数が少ない疾患)への治療法の提供だと思います。

Human Genome Science (HGS)がSLEの治療薬を開発していますが、P3で良好な結果が出たと報告しています。この会社の株価は7月から5倍に跳ね上がっているとのことです。

http://www.fiercebiotech.com/story/breaking-news-promising-lupus-data-fuels-fresh-rise-hgs-shares/2009-10-20?utm_medium=rss&utm_source=rss&cmp-id=OTC-RSS-FB0

SLEには有効な治療法がないことと、この治療薬(抗体)の効果が優れていることから来る期待感の現われです。このことを見ても、希少疾患はもうすっかりビジネスになっていると言っていいと思います。

あとはさらに患者数が少ない疾患の治療薬をどう提供していくかです。簡単ではないのでしょうが、方法がないとも思えません。

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オープンアクセスを利用した希少疾患医薬品の効率的な方法の探索

Cur For Needyというおもしろいサイトを見つけました。

http://www.cureforneedy.org/wiki/Main_Page

このサイトではすでに希少疾患治療薬として用いられている化学物質のより効率的な合成方法などを募っています。世の中の様々な有機合成研究者の知恵を絞れば、より低コストな合成経路が見つかるだろうという考えの下企画されたものだそうです。

この企画自体はRice universityの授業がきっかけで生まれたもののようです。Orphan Diseaseはニッチに位置づけられることも多いため、このようなオープンアクセスによる取り組みとの相性がよいように思います。今自身が取り組んでいる研究内容以外に、社会へよりよい影響を与えたいと思っている研究者はたくさんいるはずです。

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MicrometのBiTE antibodyがオーファン指定された

Micrometが開発中のALL治療薬であるBiTE抗体MT103がEMEAでオーファン指定されました。

この企業はBiTEというユニークな抗体技術を保有しています。抗体の一部をscFvという形にし、二つの異なる部分を認識できるようにデザインします。そのうちの一方でCD8+ killer T cellを捕まえ、もう一方でターゲットのタンパク質を認識させます。これによってkiller T cellをターゲットタンパク質を発現するがん細胞などに特異的に引き寄せることができ、がん細胞を攻撃することができます。 こちらのサイトで動画で詳しく説明されています。

http://www.micromet.de/index.php?id=31

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領域別のOrphan designationと承認の関係

f:id:trendinbio:20090430085616j:image

これはOffice of Orphan Products Development (OOPD) が作成した、疾患領域別のorphan disignationと承認の関係を表したグラフです(NordのNewsletterより引用しています)。これらの希少疾患医薬品候補が承認されなかったのには、以下のような理由があります。



  • some are deemed unsafe by the company or a researcher
  • some are deemed unsafe by the FDA
  • some are abandoned; lack of funding or interest
  • the company was bought out or approval was denied


上記の理由を見ても分かるとおり、承認されていない医薬品の全てが必ずしも医薬品としての使用ができないというわけではなく、医薬品となる可能性を秘めているものもあります。FDAやOOPDはそうした医薬品候補を見つけ出し、その医薬品候補を保有する企業に更なる開発を促しているようです。



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GenzymeがBayerから多発性硬化症の治療薬を導入

Bayer社が保有する多発性硬化症の治療薬候補であるCapathの多発性硬化症に関して、独占的に販売する権利をGenzymeは購入したようです*1。それ以外の適用についても、協力体制をとるようです。



多発性硬化症は日本で難病指定されています*2。ステロイド療法が一般的なのだと想像しますが、画期的に回復するということはないのだと思います。その意味で、このcampathの治療効果には期待が集まります。



CampathはCD52をターゲットとした抗体ですが、CD52はB細胞、T細胞の療法に発現しているので、獲得免疫系を抑制することで、癌だけでなく、自己免疫疾患にも適用可能なのだと推測しています。



似たようなアプローチで、Genentech社が以前にリツキサンを多発性硬化症の治療薬として開発しようとしていましたが、失敗しています*3。リツキサンはCD20に対する抗体で、B細胞を標的としています。T細胞まで抑えるCampathの方が治療効果が高いということなのでしょうか。



それにしても、基本的なというか、歴史のある抗体医薬の適応拡大の広さには目を見張るものがあります。



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